消費税引き上げ

 新聞の読者投稿欄を見ていたら、次のような文面が。
 なお要約&意訳なので、偏向があるかもしれないのはご愛嬌ということで。

 「消費税引き上げ賛成。日用品・必需品0%、嗜好品(ぜいたく品)15%、その他一般の財5%というような、段階別課税制度なら悪くないではないか。これに反対するのは常日頃から嗜好品ばかり購入しているような連中なんだから、反対意見に耳を貸すことは無い。」

 自分も経済学をかじりたての頃くらいは同じことを思っていましたよ、ええ。
 でも今税法を勉強している身分としては、コレ実はかなり面倒というか、現実的には厄介なモンで、そんなにホイホイと進められるような課税制度じゃないのではないかと。

 難点その1。
 納税額の算出が無茶苦茶面倒。
 現在一律5%とは定めてあるものの、すべての市場取引においてそれがなされるわけではない。
 税法上の規定によれば「国内において事業者が、事業として対価を得て行う資産の譲渡ならびに役務の提供について、消費税を課す」というような旨の規定が定めてあるわけだが、これらすべてに該当するものに必ず消費税が貸されるわけではない。
 例えば有価証券にかかる取引の一部や土地の売買にかかるもの、あるいは社会福祉的な財貨の取引にかかるものや政策上の配慮から課税しない方がよいと判断されたものなど、ただでさえ課税対象とそうでないものの区別が面倒なのに、さらに区分を増やして税率もバラバラにされると、納税額の算定に時間がかかるばかりかミスが増えそうな気もする。

 難点その2。
 段階区分の線引きがあいまいになりがち。
 例えば車などに関して言えば、地方では公共交通機関もあまり充実しておらず、特に辺境の片田舎などになれば自家車両がなければ身動きが取れないということがままあるわけだが、逆に都市部では一生運転免許を取得しなくても苦にもならないところがあるわけで。
 そうした背景の中で車という財を嗜好品と位置づけるのか、一般品と位置づけるのか、かなりグレーなラインがでてくる。
 「地域別で区分を変える」とかいう意見は、上記難点その1をさらに複雑にするので当然却下。
 「価格帯別で区分を変える」というのも同じく。
 また先ほど述べた消費税法上の「国内において事業者が、事業として対価を得て行う資産の譲渡ならびに役務の提供について、消費税を課す」という規定のなかにあるが、「資産の譲渡」というのはつまり「金を払って物を買う」ということで、これはまだわかりやすいが、「役務の提供」というのは「金を払ってサービスを受ける」ということで、これに関しては財貨のやり取り以上に区分の線引きが難しいと思われる。

 とまぁ、考え付く難点を2つ挙げてみたわけだが、別に「消費税引き上げ絶対反対!」とわめくつもりは無いが、やるなら合理的にやってくれよということである。

  1. コメント 0

  1. トラックバック 0

return top