日本社会制度の歴史的背景とスタンス

前回多少エラそうなことを述べたが、そこで端折った部分が幾分あったので、補足程度に。

日本は近代化へ移行する道標として、ドイツの社会制度を大いに取り入れてきている。
ビスマルク宰相の時代に世界初の公的保険制度(疾病保険)が導入されているため、日本もこの流れを汲んだものになっている。
民間ではなく国家がこれへの加入を義務付けた理由は、一つはその時代の貧困層の不満を解消するという意図もあったが、社会保障制度という観点から言うと、小規模人員の金銭拠出による助け合いでは、そのシステムの安定性や給付金の確保に問題が生じやすかったためだと考えられる。

資本主義を大きく信頼するアメリカなどでは、こうした国家の社会保障制度というのは日本に比べるとかなり小さいもの(いわゆる夜警国家)であるため、民間の金融・保険業が成長した。
かの国では義務ではなく、自己責任という信念に基づいてこうした社会体制を築いたものと考えられる。
ただし、最近では格差意識の芽生えによって少々見直されつつあるようだが。

逆にヨーロッパでは税率が高かったりする代わりに、国民が負担する医療費が極めて小さいなど、社会保障制度を拡充した国家が存在する。
当然こちらにもデメリットとして、財政を圧迫するという欠点があるのだが。

日本はこのアメリカ型とヨーロッパ型の中間をとっているわけである。
国民の社会保障はしますけど、丸抱えはできませんよ、というスタンス。
これによって国民生活のセーフティネットを確保しつつ、財政圧迫の危険性を低下させ、また国民にリスクの存在を自覚させるという、中間的立場らしいメリットを持つに至ったが、同時にデメリットも混在させている。
まず透明性を確保・維持させることが難しいため、今話題の横領事件だとかに発展しやすい。
次に、国民は社会保険を納付していることで、払うばかりではバカらしい考え、払った分くらいは取り返そうとしてサービスを受けるようになりやすい。(合理性の罠と言う)
特に後者は、そう考える人が増えれば増えるほど社会保障費を圧迫し、それに従って国民納付額を上昇させればさらに取り返そうとする、負のスパイラルが発生する可能性がある。

書いていて思ったが、なぜこういう記述が大学の頃にスラスラ出てこなかったのか。
そうすればもう少し、レポートも手早く仕上げられたかもしれないのに。

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