亀の甲より

かつて記述したが、現在帰省中の実家は山間部に存在する。
そしてここ最近の天気によってにわか雨が発生しやすく、山は特に天気が変わりやすい。
今日はワケあって平野部で一日中汗を流していたのだが、聞くところによると実家のほうは稀に見る雷の勢いであった。

さて、上記のことを踏まえて。
本日PM8:00ごろ、近所に住む親戚の老夫婦より電話があった。
なんでもテレビが映らないとのこと。
我が家は祖父の代から建築業を営んでおり、当の祖父は今尚健在で、この小さな集落の近辺では顔なじみであるため、水周りやら電気配線やらに異常があるとそれなりの頻度で修繕依頼が入ってくることがある。
しかし生憎ながら祖父はその当時、ちょっとした用で外出しており、状況検分ということで自分がその老夫婦の家を訪ねることになった。
その家には幼少期には割と頻繁に出入りしていたが、ここ数年の間はさっぱりであったため、
玄関前に立ったときは、長く忘れていた事を思い出したような、ハッとする感覚に見舞われた。
チャイムを押して相手が出るのを待つ、なんて他人行儀はここでは必要ない。
チャイムも押さずに玄関を開け、挨拶をして上がるのである。
玄関から居間まで大した距離も隔たりもないが、そこに居て作業をしていた老婆はその挨拶も聞こえなかったらしく、顔を出したところで気が付いてくれた。
あらかじめ聞いてはいたが、かなり耳が遠くなったようである。
電話をくれたのもこの老婆である。
老父は早々と寝る直前だったらしく、寝室からひょっこりと出ていらした。
そして世間話を片手間に、問題のテレビを検分してみるのだがこれといってテレビ自体に問題が見当たらないため、どうにもアンテナに支障をきたした模様だった。
この辺りのド田舎は一軒一軒がそれぞれTVアンテナを付けているわけではない。
ずばり、共同アンテナである。
後ほど調べてみてわかったことだが、私の実家と問題の老夫婦の家の使用している共同アンテナは同一であるが、我が家では問題なくテレビが視聴できたため、向こうに送るまでの間に夕立の際の落雷か、何らかの原因で信号が切れてしまったのだろう。
とりあえずはそれが復旧すればテレビが映るのは間違いない。

で、今日の本題は上記のことではない。
その状況検分の後、しばらく色々と話していて、当の老夫婦(特に老婆)が私がこうして相手をすることに大変喜んでくれるのである。
老夫婦はかなり前から2人きりで住んでおり、更にこのようなド田舎では、
それこそ昔話に出てくるような「おじいさんとおばあさん」の状態といえば大袈裟かもしれないが、当たらずとも遠からずという状態である。
そのためなのかもしれない。
結局、裏山の虫の声を聞きながら、小1時間程度話をして席を立った。
それまで始終楽しそうにしていた老婆の顔と、そこから貰った何とも言い様のない暖かな気持ちを忘却したくないがために、今日は私はこれを記す。
人の笑顔がこんなに嬉しいと感じたことが今まであっただろうか。
幸いにも、夏季休暇は9月一杯まである。
しきりにまた来てねと言っていた老夫婦に再び会いに行こう。

ああ、やっぱり田舎っていいなぁ。

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